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年度の変わり目 --- people come and go

TL諸チームでは退団、新加入の知らせが続く。KSWでも選手10人、スタッフ3人が去ることになった。
http://www.kamaishi-seawaves.com/news_attach/2014/201503210_info.pdf#zoom=100
在籍1年、2年も相変わらず目立つ。
職業契約選手が多くなってきていることとも無縁ではない。
日本に限らず傭兵主体だと、毎年、新たにチームを作っていくことになる(かつてはここが大学生と社会人の違いだったのだが)。

FW, BKとキープレイヤーが抜けることもチームづくりでは影響が大きいが、単一企業クラブでないKSWの場合、クラブの芯やアイデンティティをどうやって維持していくのか(そもそもあるのか)、個々の戦力補強の前に、そこが気になる。


さて、不肖すきっぷも年度末をもって10年続いた行商シリーズが終了。4月から新たな職場に移る。
娘も社会人の仲間入りである。世のお役に立てるようであればよいが。
最近、職業人たる若い女性に努めて優しく接するようにしているのだが、そうすれば、誰かが娘にもそうしてくれるべいと、「情けは人のためならず」である。
by skipoyaji2 | 2015-03-29 07:57 | Comments(0)

あれから4年

当地でも昨日来、冬の台風とでもいうべき暴風雪。
こういうことらしいが、http://www.tenki.jp/forecaster/diary/t_yoshida/2015/03/11/21801.html
3日も嵐が居座るこんな状況は半世紀を生きたオラも記憶にない。

ここ数日のニュースでは震災の風化という言葉がよく聞かれる。
オラも内陸暮らしであるうえに、今の仕事が復興と関わりが薄いせいもあり、自身、風化を否定できない。
本日、業務に関わる分野における震災時の、とある記事をスタッフ一同に配布しリマインドを図ったのだが、実のところ、自分自身に向けたということである。

かつて「負げねっすよ、釜石」で触れた松瀬氏が
http://skipoyaji2.exblog.jp/16671973
本日はこういうコラムを書いている。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsusemanabu/20150311-00043741/
オラは、浜登さんとは若干の知り合いという程度の間柄であるが、こういう記事を読むと、柔和な笑顔の裏に深いものがおありであることを思う。


池袋西武ではスクラム釜石のイベントが本日まで開催された。
http://scrumkamaishi.jp/report/goods/5849
上京し大学のラグビー部の門を叩いた際に、当時の主将にスパイクやら一式を買いに連れていってもらった思い出のデパートである。

その後、ラグビー売り場は縮小されていったように記憶するが、思えばデパートでラグビー用品を扱っていたのは珍しいことだったかも知れない。釜石の催事をホストいただいたことに、勝手な御縁を感じている。
by skipoyaji2 | 2015-03-11 20:42 | Comments(0)

KSW今季総括 そしてRWC2019

TC1進出を果たすも、TLはまだまだ遠いと思い知らされた今季であった。
これを機に、今後の展望というか、期待を久々にまとまった分量で書いてみたい。
とは言いながら、筆者の主張はあまり変わっていないので、古くからの読者にあっては、いつか読んだ内容というものが大半だと思うがご諒承願いたい。

さて、TC進出に当たり一部メディアでは「クラブチーム初の・・・」という書き方が見受けられた。クラブの概念については、これまでも触れたので詳しくはログを参照されたいが、筆者に言わせればKSWは日本流の概念でいうクラブチームではない。

今季も少なからぬ職業選手を擁する上、その雇用元を見ても、日本式草の根クラブチームと企業チームのどちらに近いかと問われれば、後者であろう。

プロ化以降、日本のラグビーシーンも変容したこともかつて触れたとおりであり、当初、オープンクラブ化した際の理念、即ち、筆者理解では、選手プールを一企業から地域へと広げ、企業単位(釜石の場合は新日鐵というよりその釜石製鉄所)での採用枠の壁を取り払うとともに、地域の有為な選手が更に上位のステージで活躍する途を拓くという考え方も、ことTLを目指すことを目標とする限りは、その意義を喪ったと言わざるを得ない(目標をそこに置かなければ、依然意義はある。)。

シーズンはいよいよ長くなり、更に日本代表クラスの選手に至っては、年中休みなくプレイしているにほぼ等しい。選手、そして、その雇用元の負担は釜石V7時代の比ではない。当時は12月中旬から1月15日までが勝負であったのだ。

更に、スーパーラグビー参戦という事情を考えると、日本の国内ラグビーシーンは一層変容することは間違いがない。TLに定着しようとするならば、安定したスポンサーの下でラグビーを職業とするほか殆ど方途はないと思われる。

(因みに、このアンチテーゼが、TLを必ずしも目指さない企業チームで、イーストなどの地域リーグには、この道を選んだと思われるチームも存在する。これも先に触れたが、社員として食い扶持の不安がなく、かつ、そこそこ高いレベルでプレイするという、学生から見た就職口としては悪くないオプションであるが、これが、かつての社会人ラグビーの姿である。)

「10年間を振り返る」と題し、2010年に記したレビューのまとめで、TL昇格には完全傭兵化しかないということを書いたが、実際、そのような方向に向かっていることはほぼ疑いがない。

今季も例年よりは期待が持てる補強と記したが、実のところIBC杯で今季もTL昇格の力までには至っていないと筆者は感じていた。これも毎年のように書いているが、春の学生相手(帝京は別格として)に素の力だけで圧倒できないチームにTL昇格の力がある筈がないのである。完全傭兵化の方向に向かっているとしても、それが十分でないことはTC1での対戦結果で明らかになった。ホンダへの0-59という負け方は、現場レベルではなく(栗田に負けるのは現場の問題である)、クラブの経営側の責任である。

TL各社は、当然、自社チーム強化にコミットしている。更に、神戸製鋼は高校全国大会の、サントリーは全国タグラグビーの、TLの中では小さい企業のサニックスでもワールドユースの夫々スポンサーである。

釜石をあっという間に抜き去ったキヤノン。それでも選手リクルートに苦戦という記事がラグビーマガジンにあったのはつい2~3年前と記憶するが、今季はTLグループAに進出。この強化振りは御手洗会長がRWC2019組織委員会の会長に就いたことと無縁ではあるまい。RWC日本開催までには当然トップを窺うことが至上課題になっているのではなかろうか。RWC組織委員会にもTL強豪クラブの企業名が並ぶ。

KSWの実質的なオーナーは新日鐵住金であることを前提すると、KSWの本格的強化は新日鐵住金次第であるが、どうもラグビーに冷淡なような気がする、とこれもかつて書いた。一方で、再び強いコミットメントをしてもらわなければならない事情の変化がある。RWC2019だ。

被災地・釜石がRWCどころではないという住民感情もある中、その誘致に名乗りをあげ、そして本日、開催地に決定した。

3月11日の午後、「津波てんでんこ」の教えに従い、児童、生徒が駆けた鵜住居にスタジアムを建設しRWCをホストするという。ホストたる資格が、古の日本選手権者の街であるからとそれだけでいいのか、万事が東京一極集中の日本にあって、最北の強豪クラブが本拠とする釜石だから開催に意義があると、そうありたくはなかろうか。

スタジアムは造って終わりではない。むしろその後の活用、維持管理が課題だということはFIFAワールドカップで既に明らかだ。鵜住居の場合は、RWCを見越しつつも市民が集う多目的スタジアムではあるが、北の鉄人スタジアムとして親しまれなければならない。仮にTL昇格を果たしたところで、鵜住居でのホームゲームは2、3試合に止まるかもしれないけれど。

これもかつて書いたが、一般に物事を成し遂げるには目標年次を示し、なすべきことを着実に積み上げていく必要がある。これまでのKSWには筆者が記憶する限り「いつまでに」がなかった筈だ。RWC2019は、何としてもTLに昇格しておかなければならない目標年次が示されたと解すべきではなかろうか。

夢を語ることになるが、2017-18シーズンにTC1を勝ち上がり(相手次第だが圧倒的に)、2018-19シーズンは確実にTLに定着する。明けた2019年は鵜住居スタジアムのこけら落としを被災地の3チームが三つ巴で行う。

その3チームとは、KSW、神戸製鋼、そしてアンガスはじめ偉大なラグビー選手を幾多も輩出する聖地であり、東日本大震災に先立つこと2ヶ月、地震で甚大な被害を蒙ったNZクライストチャーチを中心都市とするカンタベリーである。

プロ化の流れにより、KSW化当時のボトルネックであった釜石製鉄所の社員採用・配置枠の比重は下がった筈だ。それにしても新卒選手はTL上位チームに集中しがちであり、現状の中位~下位チームはリクルートも楽ではなさそうだ。釜石にあっては地域的な不利も依然付き纏う。

KSWが狙うべきは(これも実際そうなってきているわけだが)、TLで出場機会に恵まれない若手・中堅選手、そろそろ肩叩きに遭いそうな、いずれも専業選手。それにしても採り放題であるわけもないが、KSW、前身の新日鐵時代からラグビー界にはそれなりのネットワーク(まだある筈だ。但し、これも賞味期限が僅かか)を生かし、RWCをホストする釜石のために一肌脱いでもらえまいか、そして、おめはんを干した古巣を見返してやらないか、そういうアプローチとなろう。

他方、これは東北の選手が支えたV7が本当に過去の神話となることでもある。
ラグビー先進国ではクラブは基本的に地域ベースであり、その名称も都市名や地域名であることが大半だ。一方で日本のプロ野球がそうであるように、プロ化の進展で、本拠地と選手の出身地が一致しない傾向はどんどん進んでいる。スーパーラグビーでも、例えばNZの選手が出身地以外のフランチャイズでプレイすることはおろか、他国ベースのチームでプレイすることまで当たり前になってきている。欧州も然りである。

V7時代の新日鐵釜石の編成は、ずらりと北国の選手が並ぶ(懐かしいなあ(涙))。
1. 石山(秋田・能代工)
2. 多田(岩手・黒工)
3. 洞口(岩手・釜石工)
4. 菊池(岩手・黒工)
5. 瀬川(岩手・釜石工)
6. 高橋(秋田工専)
7. 氏家(岩手・黒工)
8. 千田(岩手・黒工)
9. 坂下(岩手・宮古工)
10. 松尾(目黒→明大)
11. 佐藤(青森工)
12. 金野(岩手・一関工)
13. 金子(大分舞鶴→筑波大)
14. 永岡(仙台二→慶大)
15. 谷藤(函館工)

(V7の試合は、11が金子、13が小林(日)となるが、東北編成として前年のものとした。金子の出身高校だけ九州のどこかだったはずだと思いつつ出てこなかったが、あとは今でもソラで書けるのだ。何となれば、高校時代、授業中にノートの余白に意味もなく、1番から15番まで書いていたからだ。同年代を共有した諸兄には同様の思い出があろう。)

こういうことは恐らく二度と起こらない(時に、大学決勝での帝京、筑波の両チームには西日本出身選手の多いこと。高校8強にも東日本からは久我山が残っただけであり、どうしてこうなるのか、知見のある向きには是非ご教示いただきたい。)。

しかし、強いチームでいい選手に揉まれ、地元出身の選手が1人でも大きく成長し、日本代表を窺うくらいまでは期待してもいいだろう(大野の例の如くだが、これには東芝の卓越した発掘と人を伸ばす能力があってのことだ。)。

更に、外国人選手も水準が非常に上がってきており、SANZA3カ国のリアルインターナショナル、今でいうならRichie McCawとDan Carterをセットで獲得するような誰もが驚くような補強が必要だ。新日鐵時代にはZinzan Brookeを採ろうとしてNZ協会と揉めたこともあるのだから、できない相談でもあるまい。無論、ワールドクラスのコーチの存在も不可欠となる。

(一方で、一番大事なのはクラブの芯であり、この点は一般論として以前触れた。では、どうすればいいかということに対し、筆者の解もないのだが。)

KSWの実態に鑑みるに、この辺は、偏に新日鐵住金がどれほど梃入れできるかにかかっている。他方、オーナー企業であればいざ知らず、合併を繰り返し巨大化してきた同社であり、いかに現・社長がラグビー人であろうとも、企業としての意思決定は容易ならざるものであろうことも想像に難くない。

しかしだ、富士鉄時代から新日鐵とともに成長し、そして衰え、更に未曾有の震災からの復興に向かう釜石市の乾坤一擲のチャレンジに「総合力世界No.1の鉄鋼メーカーへ」をスローガンとする世界第2位の鉄鋼巨人の強力なコミットメントを望まずにはいられない。

一方、他力本願ばかりでもいられない。

歴代米国大統領の就任演説には名作が多いが、第35代大統領、ジョン F. ケネディは、その就任演説の終盤にこう述べている。
And so, my fellow Americans: ask not what your country can do for you -- ask what you can do for your country.
だからこそ、米国民の同胞の皆さん、あなたの国があなたのために何ができるかを問わないでほしい。あなたがあなたの国のために何ができるかを問うてほしい。
(和訳は米国大使館公式サイトから引用した)

我々岩手のラグビー者も然りである。この文の何をどう置き換えるか、拙ブログの読者であれば容易に推察ができるであろう。

そして、記憶に新しい、現バラク・オバマ大統領が就任演説で繰り返し用いた” Yes, we can.”を我等のものにしなければならないのだ。

(大仰な終わり方になり、自分でも気恥ずかしいがご容赦ください。)
by skipoyaji2 | 2015-03-02 23:25 | Comments(0)