人気ブログランキング | 話題のタグを見る

クラブ考 再び

最近のKSWはクラブチームが企業チームに勝つことに意義を見出しているように見受けられる。

ちょっと余談をする。日本でいうところのクラブチームというのは、独特の概念である。RWCの中継なんか見ていると、例えば「アルゼンチンの誰それはフランスの何がしという「クラブ」でプレイしている」、なんてコメントが聞かれる。私はサッカーに詳しくないので些か躊躇するが、サッカーを引き合いにしてみる。先日、日本でクラブ世界一決定戦なんてのが行われていたようだ。日本のJリーグの構成チームもこれまたクラブであって、上述のアルゼンチンの・・・クラブというときのクラブは日本のJリーグのクラブ、即ちプロのチームと同義である。即ち、ラグビーにおいてクラブチーム=草の根レベルというか、アマチュア的なチームという理解の仕方は極めて日本流のものである。ひとまず余談を以上とする。

さて本題に戻る。最近、過去のネタの引用が多くて恐縮であるが、同じクラブといえども、タマリバとの違いを書いてみた記事だ。
http://skipoyaji2.exblog.jp/4204994/

一本前の記事で近鉄の契約選手のことに触れたが、契約選手といえば、KSWの場合、外国人選手は概ねそうであるし、日本人でもTLからの移籍組で新日鐵所属のプレイヤーは恐らく契約社員であろう(あくまで推測である)。日本式クラブで契約社員たる選手がいるということだけでも破格のことである。

オラが縁あって知ることとなった、とある元トップリーガーの話。そのチームを退部後、某クラブ(名は伏せるがKSWではない)でプレイしていたが、容易には通えない支店に転勤になったそうだ。それでも情熱は失せず、練習や試合に参加するために使った交通費が年間100万円。全て自腹だったそうだ。そういう状況に比べれば、契約選手の存在と併せ、KSWはまだ恵まれているのではないか(いや、オラは200万使ったという向きもあるかも知れず、これも推測である)。

いまだに選手の占める割合は新日鐵が高いし、運営にも(これも推測だが)新日鐵の影響が大きいと思う。然るが故、KSWは日本的概念でいうクラブチームとも違うと私は思うのである。以上2点から、冒頭の「クラブチームが企業チームを・・・」というのも、すんなり納得いかないものが、私にはあるのである。

さて、まともな組織には、通常その目標というものがある。そのことに触れたのが次の記事である。
http://skipoyaji2.exblog.jp/3994016/
TL行きを本当に目指すのですか?
その最適解は今のフォーマットですか?
目標は明らかにされなければならない。そして、そこに至るロードマップが描かれなければならない。

企業チームに人が思い入れを致し難いことはそのとおりだ。
http://skipoyaji2.exblog.jp/2069825/
しかし、もしTLを目指すというなら、企業が丸抱えしない限り無理であろう。いっそ、業界好況の今、新日鐵がメインスポンサーになって全員プロ契約のクラブにしてはどうか。それであれば、通常の社員枠の制約から逃れられよう。釜石ラグビーは、伝説でしかなくなりつつある。とりわけ地理的に不利な釜石は、それでもリクルートは困難が付きまとうであろう。しかし人々の記憶に、些かでもあるうちに、手は打たれなければなるまい。

それでも弱点は鉄鋼不況であることに変わりないが、次の鉄鋼不況が来たらオラは潔く諦めよう。

とはいえ、世界的な業界再編の波の中、釜石の波のことまで鉄鋼巨人は考えてられねんだべなあ。
by skipoyaji2 | 2008-01-15 21:34 | Comments(2)
Commented by 大槌町民 at 2008-01-16 14:39 x
こんにちは。
 日本のスポーツの場合、ラグビーに限らず企業スポーツから発展してきたため、「クラブチーム」という概念が分かりにくくなっていると思います。ヨーロッパのクラブチームでは、チームの「スポンサー」は存在しても、「親会社」というのはあまり聞いたことがありません。、サッカーではオランダのPSVという家電メーカーのチーム、ドイツのレバークーゼンという製薬会社のチームくらいでしょうか。多分。
いまのトップリーグはサッカーで、Jリーグが開幕するちょっと前の日本リーグに似ています。個々でプロ契約する選手もいれば、完全な社員選手もいる。リーグ自体がプロ化していないのでチームによってばらつきが出ます。そうなるとどうしても資金力と魅力のあるチームに選手が集中します。 地域スポーツの発展とは逆行した流れですが、強くしようと本気で思ったら仕方ないのかもしれません。
・・・とコメントを書いていたら、リコーにラーカムが加入すると出ていました!! やっぱり資金力でしょうか。  リコーのひとだち!ぜってぇイーストさ落ぢでくんなよ!って感じです。  長文失礼いたしました。
Commented by skipoyaji2 at 2008-01-16 20:04
大槌町民さんはサッカーにも詳しいんでやすね。オラはラグビー以外のことは、はっぱほでねくて・・・

ところでラーカム。何年か前に日本でプレイすることも選択肢というのを英字紙で読んだことがあります。エジンバラに移籍したはずでしたが、エジンバラが何だかで揉めていたようで、それも来日を決める要因になったのかも知れません。リコーは今季、以前にも増して不振ですから、強力な梃入れが必要だと判断したんでしょう。三菱重工のTL陥落は必至ですが、リコーも危ないところ。九電×リコー戦がカギでしょうね。KSW v. リコー戦が県内だったらラーカムの写真が撮れるわけで、こりゃまた堪らんのですが。オラがその場にいられる保証はないんですが。


<< Stephen Larkham ナンバー 695号 >>