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クラブの芯

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画像は米国ボストン時代に所属していたクラブの名簿である。その存在すら忘れていたが、家人が保管していたのを過日出してきた(古いとはいえ個人情報であり、マスキングしてある)。今となっては誰が誰だか見当がつかないが、思えば当時もそれは一緒であった。

クラブ云々については、過去に拙ブログで、こういう記述をしているが、

「クラブチームとは何か。
昨年、トヨタがスポンサーであるサッカーのクラブ世界一決定戦というのが行われていたが、ラグビーを含めたフットボールの世界では、クラブとは、なんというかなあ、国代表、地域代表などとの相対する概念で、レベルの高低、プロ・アマチュアの別を問わず基本的なチーム編成のユニットとでもいうべきものである。J-Sportsでお馴染みの藤島大氏は、時折解説で「クラブの伝統」などという言い方をされるが、フットボールの世界を流石によくご存じだ。」

米国での所属のクラブは、自前のグラウンドもクラブハウスも持たない、日本式草の根クラブと同様のものであった。恐らく米国内の他のクラブも似たような状況であったのだろうと思う。

練習場所も公営などのグラウンドを借りていたのだと思われ、一定ではなかった(試合も然りであるが、一応、近隣クラブとの試合でもホームとビジターの区分けはきちんとしていたように記憶する。)。

とはいえ、20数年前でも土のグラウンドであったことは一度もなく、芝とまでは言わないが全て草地であり、単なる経済力だけでは計り難い彼我のトータルの豊かさの違いを感じたものであった。

また、さすがに米国故、多国籍軍であり、特定できた限りでも、小さいながら気の強いフッカーでKiwiと呼ばれていたNZ人、やっぱりお洒落でちゃらい感じのフランス人(これまた安易だが渾名がFrench。因みに、筆者をJapと呼ぶ奴はいなかった)、もじゃもじゃ頭のアイルランド人などが在籍していた。

このアイリッシュは留学生で、実家からは米国でのラグビーは禁じられていたらしいのだが、socialにプレイしているからと言い訳していたそうだ。socialとは「社交」などの意味だが、この場合は「遊び程度に」くらいの語感で捉えるのがしっくり来る(無論、実際のところ遊び程度ではなく1本目のフロントローであった。)。

英語力が十分でなかったこともあり(仕事はともかく、若い、それもラグビー者のスラング交じりの英語はなかなか大変である、と言い訳。)、誰がどういう人間なのか理解が進まずにいた。

職場の入居するビルの別の階で、コンサル会社に勤務する者がいたり(彼は我が勤務先の米国人女性と付き合っていることがほどなく分かり、更に、何と、家人が最近FBで両者が結婚していたことを突き止めた)、(元)軍人であるからなのか、はたまた何か別の理由があるのか、どうもそうは見えないがSoldier(ソルジャー)と呼ばれている奴がいたり、初回フレンドリーに接してくれて、こいつと仲良くなれるかと思えば、その後一切見なくなった奴がいたり、まあ全容は何とも掴めなかった。

星の国時代は日本人クラブであり、言葉の問題はなかったが、何せ駐在員が中心で出入りも多く、いつの間にか見なくなる選手もおり、どこの会社の人なのか、どういうラグビー経歴なのか、一部員(兼カメラの伯父さん)で、かつ、既に不惑に達していたが故の年齢差もあって、最後まで分からぬことも多かった。

非企業単位のこの種のクラブは、多様なバックグラウンドを持つ、世の中の多種多様な人間が、ラグビーをしたいという一点のみを以って成り立つものであって、当然出入りも頻繁となるものだが、ラグビーであるが故に厳しくも、様々な意味で楽しく運営されていればよく、個々に誰がどこの何某ということは、余り大きい意味を持たないのかも知れない。但し、人となりを知ることができれば、更に関係が深まりチームの融和が進むと思う。

と、これは一兵卒の見方であり、運営を司る立場にあっては、企業クラブとは異質の苦労が伴うことも間違いあるまい。

選手確保をはじめとして、社命としてやっているわけではない以上、まずは、「来る、来ない」の段階から個人の裁量であり、どれほどのラグビーを求めるかという意識も一様ではない。

企業クラブであれば、本業組織の職階がマネージメントにもある程度反映されようが、草の根クラブではそうしようもない。

社業として(TLの如く)勝利が至上であれば、その点で割り切った選手起用が可能となろうが、草の根クラブではモチベーション維持ということにも配慮が必要になる(因みに、KSWは、ほぼ企業クラブに回帰したように見え、この種の課題からは脱却しつつあるように(あくまでも推測だが)思われる。)。

クラブの芯という視点では、かつて関東学院大の春口氏に関しこういう記事を書いた。
http://skipoyaji2.exblog.jp/13975246/

ラグビー観も一様でない多種多様な人間から構成される草の根クラブにあって、その芯たる存在には、なおのこと広い構えと深い懐を備えることが求められよう。これは実戦時におけるゲームリーダーともまた異なる素養である。

乏しい実経験、外部から見た限りの印象で大変恐縮だが、それを失ったクラブはどうも求心力が弱まり、チームとしても下降していくように思う(本題ではないVarsityの事例となるが、その両例が関東大学対抗戦に見られはしまいか)。



因みにこちらもクラブの芯というべきものである。










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ClubでねくてCrabね♪
by skipoyaji2 | 2014-08-14 19:18 | Comments(0)


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